仕事に関する本を読んだり資格を取るなどしているのに、なぜか仕事の成果につながらない・・・
努力しているのに評価に反映されない・・・

そんな経験はありませんか。
私にはあります。

私はこれまで「自己啓発本」をたくさん読んできました。

そこに書かれていることに感銘を受けて、それが私自身のモチベーションアップにつながることはあっても、会社や同僚からの私に対する評価が高まったかといえば、正直そんなことはありませんでした。

だから、せめて自分では「昨日よりは知識が増えたのだから、成長しているはず」と考えるようにしていました。
つまり自己満足で終わらせていたのです。

ところが先日、書店で偶然手にした本。

「成長の技法~成長を止める七つの壁、壁を超える七つの技法~」(著者:田坂広志さん)

この本は、これまで私が読んだ自己啓発本と、大きく違いました。
何が違うのか。

一言でいうと、仕事における成長が止まってしまう原因と対処法が、わかりやすく整理して書かれており、「誰でも(私でも)すぐに実践できる」と思わせる内容なのです。

この本と同じ趣旨のことは、これまで私が読んだ自己啓発本にも書かれていました。
しかしそのどれもが、私には「抽象的な一般論」に終始しているように思え、具体的にどんな行動をとればよいのかわからず、実践に結びつかなかったのです。

まぁ、どんな行動をとるべきかは、私自身が考える必要があったのかもしれませんが、少なくとも私にはハードルが高かったわけです。

ところがこの本では、まず、成長を止める「7つの壁」の正体が具体的でわかりやすく書かれてあり、そのどれもが多かれ少なかれ、私自身に思い当たることばかりでした。

そしてこれを克服するための「7つの技法」も、いずれもとてもシンプルで、今日から実践できそうなことばかり。
事前準備や高度な技は必要ありません。

しかも汎用性が高いので、仕事以外の場面でも使えそう。

つまり、現状を変えて成長したいと思っているどんな人でも、ここに書かれてあることを実践することで、何らかの変化(成長)を実感できるのでは。
そう思えるのです。

この本による「7つの壁」と、それを克服する「7つの技法」は次のとおり。

①学歴の壁 → これを克服するには「棚卸しの技法」

知識は、書物やWebで学ぶもの。
これに対して「智慧」は、経験や人間をとおして学ぶもの。
そして仕事ができるかどうかは、仕事の経験を積むことによってどれだけの「智慧」を掴んだかで決まります。
知識ばかりをインプットしても、「仕事ができる人」にはなれないのです。

この学歴の壁を克服するためには、自分自身がこれまでの仕事の経験から、その仕事に求められる職業的智慧をどれだけ掴めかたか、という振り返りをすべき。

これが「棚卸しの技法」です。

②経験の壁 → これを克服するには「反省の技法」

仕事は一見こなせているが、実は「浅い仕事」で止まっており、経験から学べていないと思わせる人がいます。
この壁を克服するためには、仕事(会議や商談など)の直後に同僚と反省の会話をすること、これとあわせて深夜に反省日記をつけるのが良いそうです。

深夜に反省日記をつける意味は、今日の自分を振り返り、そのとき感じた自分の内面の気持ちを「書く=文字にする」ことによって、賢明なもう一人の自分が現れる、つまり「自分との対話」ができるようになるからなのだそうです。

これを積み重ねることで「深く考える」という習慣が身につき、経験から多くを学べる自分になれる。

私も早速、反省日記を書くようにしたところ、その効果に自分でも驚いています。
「書く」ことの効果は絶大です。

③感情の壁 → 心理推察の技法

自分の感情に支配されて、人の心の動きを読めない人がいます。
私もそう。

でも、全ての仕事は「人間の心」を対象とした営みであり、「人の心」を感じることから始まるもの。
「人の心の動きが読める」というのは、仕事に携わる全ての人に求められる大切な能力なのです。
そしていくら心理学の本を読んでも、人の心を読めるようにはならないのだそう。

この能力を身につけるためには、ひとつの仕事(会議や商談など)が終わるたびに、相手や周囲の心の動きを推察し、想像し、深く読むということを習慣にする。
これが「心理推察の技法」です。

このほかにも

④我流の壁 → 私淑の技法
⑤人格の壁 → 多重人格の壁
⑥エゴの壁 → 自己観察の技法
⑦他責の壁 → 引き受けの技法

という技法があり、どれもすぐに実践でき、効果を実感できると思えるものです。
これらはまた、次回の記事で紹介させてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。