ひとり暮らしの高齢者が直面するであろう現実を知っているでしょうか。
夫より長生きしたり、娘たちと離れて暮らすことになったりして、私もいつかひとりになるかも。
今回は、「老後ひとり難民」について考えました。
「老後ひとり難民」の衝撃
シングルのまま人生を謳歌するひと、配偶者に先立たれた人、子どもがいないか疎遠な人・・・
このように何らかの理由で「おひとりさま」となった高齢者が、やがて心身の機能が衰え、入院や介護が必要になったとき、だれも頼れる人がいなかったらどんな問題が起こるのか。
「老後ひとり難民」(著者:沢村 香苗さん)
この本を読み、衝撃を受けました。
高齢でのひとり暮らしでも、まだ元気なうちは問題が見えにくいかもしれません。
でもある日突然、転倒して骨折、あるいは急病で倒れてしまったとき、救急車を呼ぶことができるのでしょうか。
動けない身体ではスマホを取りに行くこともできず、助けを求めることすらできないかもしれません。
救急車を呼んで病院に搬送されても、身元保証人がいなければ入院させてもらえないリスクもあります。
入院できたとしても、スマホも財布も保険証も、全て自宅に置いてきたまま。
自宅の家のカギを渡して中に入ってもらい、それらを探して持ってきてくれることをお願いできる相手は身近にいるでしょうか。
入院が長期になったとき、コンビニ払いの携帯電話の料金の支払いや、自宅の生ごみの処分は誰にお願いしたらよいのでしょうか。
そして退院後、介護が必要な身体になったとき、介護サービスの申請や契約の手続きを、自分ひとりで判断して行うことができるでしょうか。
介護が必要なくらいに心身の機能が衰えている状態で、です。
亡くなってしまった場合は、さらに深刻です。
契約していた携帯電話やサブスクの利用料は、誰にも解約されないまま延々と口座から引き落とされ続けることになります。
これらが「老後ひとり難民」と呼ばれる高齢者が向き合うであろう、厳しい現実の一部です。
配偶者がいても安心はできません。
どちらかが寝たきりや認知症になったりすれば、簡単に「老後ひとり難民」に陥ってしまうからです。
離れて住む子どもたちに心配をかけたくないからと、高齢の夫婦が問題を抱え込んだまま誰にも相談しないでいることが、皮肉にも問題を大きくしてしまうかもしれません。
行政は頼れない
困ったときは行政が何とかしてくれるはず。
私たちは期待も込めてそう思ってしまいがちです。
ところが、既に多くのトラブルが起きているにもかかわらず、「老後ひとり難民」への行政の対応は全く追い付いていないのが現状だそうです。Σ(゚Д゚;エーッ!
例えばお金がなくて生活保護を受けているような高齢者は、自治体とのつながりができるため、ある意味まだ恵まれているのだそう。
ところがお金もそこそこあり、認知機能も衰えていない高齢者の場合、何とかひとりでがんばれてしまうので自治体や地域とのつながりもなく、問題が表面化しづらいのです。
そしてある日倒れて病院に運び込まれて、突如問題があらわになる。
そのときは既に、本人との意思疎通が難しくなっている場合だってあり得ます。
もしも亡くなった場合、病院の費用の精算や家財の処分、火葬や埋葬など様々な手続きが必要になるのですが、これらを誰が行うのかも曖昧なままだそうです。
解決策はあるのか
この本によれば、老後ひとり難民のリスク回避のために「これさえやっておけば大丈夫」という理想的な解決策はないのだそう。
でもこれまでの多くの事例から、リスクを減らすための準備をしておくがとても大切だということでした。
いつ来るかわからない災害のために、日頃から防災準備をしておくのと同じ発想で、起こるかもしれないリスクに備えておくわけですね。
リスクを減らすためにどんな準備が有効なのかについても、この本ではふれられています。
例えば
・地域社会とつながること。
・自分に関する情報をまとめておくこと。
・高齢者福祉のためのサービスを知っておくこと。
など。
老後ひとり難民の解決策についてはこちら。
↓
「老後ひとり難民」回避のために働く
大切なことは、まずは何が問題なのかを知り、次にできることを確認して、行動すること。
「備えあれば憂いなし」
今からできることを考えて、少しずつでも行動しようと思います。
今日のおすすめ本「老後ひとり難民」
皆さんもぜひ、一度は読んでみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。