まだ年末じゃないけど、年末にゆっくり休みたいので今から大掃除を少しずつ始めたい。
そう思うものの、なかなか重い腰があがりません(~_~;)
せめて社労士の勉強だけは継続して、自己の成長につなげたい。
今回もがんばりまっす。
令和4年度社会保険労務士試験の選択式試験問題から。
問題文がやや長いですが、内容は難しくはありません。
教育訓練給付金の支給要件のポイントを確認します。いきましょう!
〔問〕
雇用保険法第60条の2に規定する教育訓練給付金に関して、具体例で確認すれば、平成25年中に教育訓練給付金を受給した者が、次のアからエまでの時系列において、いずれかの離職期間中に開始した教育訓練について一般教育訓練に係る給付金の支給を希望するとき、平成26年以降で最も早く支給要件期間を満たす離職の日は[ A ]である。
㋐ 平成26年6月1日に新たにA社に就職し一般被保険者として就労したが、平成28年7月31日にA社を離職した。このときの離職により基本手当を受給した。
㋑ 平成29年9月1日に新たにB社へ就職し一般被保険者として就労したが、平成30年9月30日にB社を離職した。このときの離職により基本手当を受給した。
㋒ 令和元年6月1日にB社へ再度就職し一般被保険者として就労したが、令和3年8月31日にB社を離職した。このときの離職では基本手当を受給しなかった。
㋓ 令和4年6月1日にB社へ再度就職し一般被保険者として就労したが、令和5年7月31日にB社を離職した。このときの離職では基本手当を受給しなかった。
[ A ]に入る最も適切な語句は、以下の①~④のうちどれでしょうか?
①平成28年7月31日
②平成30年9月30日
③令和3年8月31日
④令和5年7月31日
〔考え方〕
教育訓練給付金の基本が理解てきていれば正答できる問題ですが、私は✖でした。
雇用保険の様々な「期間」について、勉強したつもりでしたが理解ができていなかったことを痛感しました。
どう考えればよいのでしょうか。
まず前提として、教育訓練給付金の支給を受けるためには、
①教育訓練給付対象者
②支給要件期間
の2つの要件を満たす必要があります。
教育訓練給付対象者とは
給付金の支給を受けるための2つの要件のうちの1つ、「教育訓練給付対象者」とは、次の①②のいずれかに該当する者です。
①教育訓練を開始した日(「基準日」といいます!)に一般被保険者または高年齢被保険者である者
②上記①以外の者で、基準日が直前の一般被保険者または高年齢被保険者でなくなった日から起算して1年以内にある者
ただし上記②の「1年以内」は、あくまでも原則です。
もしも被保険者でなくなった日から1年以内に、妊娠・出産・育児、負傷・疾病等により引き続き30日以上教育訓練を開始できなかった場合は、申し出により「1年」にその日数を加算した期間となります。
最大で19年の加算が可能で、加算後の期間の上限は「20年」!
子育てが一段落してから再就職しようという方にも受給のチャンスがあるということですね。
そして給付対象者が実際に支給を受けるためには、次の「支給要件期間」という2つ目の要件を満たす必要があります。
教育訓練給付の支給要件期間とは
教育訓練給付の対象者が、必要な「支給要件期間」を満たすことで初めて教育訓練給付を受けることができます。
「支給要件期間」とは、給付対象者が基準日(=教育訓練を開始した日)までの間に、同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者等(一般被保険者、高年齢被保険者または短期雇用特例被保険者)として雇用された期間のこと。
ただし、これより前にも被保険者等であったときは、その資格喪失から新たな資格取得までの間が1年以内であれば、支給要件期間として通算されます。
支給要件期間は、イメージとしては基本手当の給付日数算定の基礎となる「算定基礎期間」と似ていますね。
そこで、ついでに
「支給要件期間」が「算定基礎期間」とちがう点をおさえましょう。
①支給要件期間は、雇用保険被保険者の資格喪失のときに基本手当または特例一時金の支給を受けていても、期間の通算に影響はありません。
算定基礎期間は、被保険者の資格喪失後に基本手当または特例一時金の支給を受けていた場合は、たとえ資格喪失後1年以内に新たに資格取得しても通算はされません。
(この場合、受給資格の決定を受けたものの現実に支給を受けていなければ、通算されます。)
②支給要件期間には、育児休業給付金または出生時育児休業給付金の支給に係る休業期間も含めます。
算定基礎期間は、「育児休業給付金または出生時育児休業給付金の支給に係る休業期間」が含まれないことが重要なポイントです。おさえておきましょう!
〈支給要件期間のココにも要注意!〉
○支給要件期間には、基準日前にも教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、その過去に受けた教育訓練の受講開始日以降の期間だけを通算します。
〇教育訓練給付対象者は、基準日(または基準日以前1年以内)に「一般被保険者または高年齢被保険者」である者ですが、支給要件期間とされる被保険者等として雇用された期間には、一般被保険者、高年齢被保険者のほか「短期雇用特例被保険者」として雇用された期間も含みます。
出稼労働者などの短期雇用特例被保険者は、教育訓練給付対象者ではありませんが、過去に短期雇用特例被保険者だった期間は、支給要件期間に含まれるわけですね。
ややこしいですが、おさえておきましょう。
支給要件期間はどれくらい必要か
教育訓練給付金の支給を受けるために必要な支給要件期間は次のとおりです。
①一般教育訓練給付金 3年(初めて一般教育訓練給付金を受けようとする者 1年)以上
②特定一般教育訓練給付金 3年(初めて特定一般教育訓練給付金を受けようとする者 1年)以上
③専門実践教育訓練給付金 3年(初めて専門実践教育訓練給付金を受けようとする者 2年)以上
ここまでおさえたうえで、問題文を解いてみましょう。
平成25年中に教育訓練給付金を受給しているので、支給要件期間は3年以上必要です。
また、基本手当を受給していても支給要件期間は通算されますが、㋐の期間と㋑期間の間は1年を超えているので支給要件期間としては通算されません。
次に㋑の期間の1年1か月と、㋒の期間2年3か月は通算ができるので、支給要件期間は3年以上となります。
したがって最も早く支給要件期間を満たす離職の日は、令和3年8月31日となります。
〔答〕 ③令和3年8月31日
社労士試験では、正確な知識がないと正答できない問題が出されます。
でも、初めから全てを丸暗記しようとするのは得策ではありません。
基本テキストと過去問を繰り返しながら少しずつ理解を深めていき、最終的に基本事項をなるべくとりこぼしなく、1つでも多くの知識を覚えておけるように学習を進められるとベストだと思います。
今日もおつかれさまでした( ^^) _旦~~
教育訓練給付金の支給額と申請手続きについてはこちら
↓
教育訓練給付金②〈一般教育訓練・特定一般教育訓練〉
最後までお読みいただき、ありがとうございました。