投資を学んだ方なら、本多静六さんのお名前をご存じかもしれません。
月給からコツコツと投資し続け、巨万の富を築いた資産家(本業は大学教授)です。
その私生活は、生涯労働と学問に励み、食事は芋粥と漬物だけという超シンプルライフだったというのですから驚きです。

本多静六さんの著書「私の財産告白」を読んで、蓄財の方法だけでなくその生き方にも感動しました。
幸福とはシンプルライフにこそある。
本当にそう思える本です。

月給の4分の1を投資して億万長者に

本多静六さん(1866年~1952年)は、貧農に生まれながら苦学して東大教授になった方です。
月給の4分の1を貯金し、そのお金を元手に投資し続けて莫大な財産(現代の資産価値で数百億円くらいの貯金、田畑や山林、別荘など)を築きました。

1927年(昭和2年)に定年退職すると、全財産を社会事業のために寄附したのです。

人生最大の幸福は「職業の道楽化」

この本によると、著者は若い頃は
「40歳までに倹約して貯蓄をし、60歳までは勉学著述に励み、70歳まではお礼奉公、それ以降は隠居して晴耕雨読の生活を楽しもう」と計画されていたそうです。

ところが財を成しても「勤倹貯蓄生活」を続けた結果、「楽隠居などという不自然な怠惰生活」はさらりと捨てる心境となり
人生即ち努力 努力即ち幸福(努力することが人生の全てであり、幸福の真価は努力している人だけがわかる)」
という新しい人生観を悟り、「働学併進」を趣味として生涯、労働と学問に励みました。

大学教授という仕事のほか休日には執筆活動に励み、なんと370冊以上の著作を残しています。

特に人生の最大幸福は「職業の道楽化」であり、職業を道楽化する唯一の方法が努力すること、とあります。

巨万の富を築いた方にとって、最大の幸福が「仕事が楽しと思えること」。

定年後も働き続けようと思う私はこの言葉に感動し、自分もこうありたいと思いました。

働けることは幸福なこと。
平凡でも不器用でも、働ける限り働きたいと思います。

億万長者の超シンプルライフ

それにしても長期間コツコツと努力して莫大な財産を築き、それを「子孫に美田は残さず」とほぼ全てを寄附されるとは。
とても真似できることではありません。

全財産を寄附した後は「無一物」となり、食事は芋粥と野菜の漬物だけという「勤倹貯蓄生活」と、「働学併進」を趣味とする超シンプルライフを生涯貫きました。

「乏しいながらも満ち足りた生活」だと、この本には書かれてあります。

本当の幸福って何だろう。
そんなことを考えさせられる本です。

シニアの皆さんにも、ぜひ一読されることをおススメします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。