法改正によって、なんと最大で受講費用の80%が支給されることになった専門実践教育訓練給付金。
支給額が高額なだけに支給されるための要件が諸々ありますね(>_<)
自分が受給するつもりになって、手続きの流れを意識しながら確認するとよいです!
法改正があったということは、令和7年度の社会保険労務士試験で出題される可能性も高いです。
法改正の内容もしっかり確認しておきましょう!
専門実践教育訓練給付金の申請手続きと支給額(>_<)
特定一般教育訓練給付金と同様に、教育訓練受講開始の前にも手続きが必要です。
またほかの2つ(一般教育訓練、特定一般教育訓練)の給付金と大きく違うのが、教育訓練修了前の受講中にも給付金が支給されるという点です。
専門実践教育訓練が比較的長期にわたり、受講料も高額な場合が多いからでしょう。
専門実践教育訓練には従来からの「資格取得と就職」という要件を満たした場合の追加給付にくわえ、令和6年10月から新たに「昇給」した場合にも追加給付が支給されることになりました。(改正点です!)
〈受講前に必要な手続き〉
訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受けます。
専門実践教育訓練開始の1か月前までに、「受給資格確認票」にジョブ・カードを添付して、住所を管轄する公共職業安定所の長に提出します。
所定の要件に該当すると認められたときは、公共職業安定所から「受給資格者証」が交付されます。
(このとき、受講中6か月ごとの申請期間も通知されます。)
特定一般教育訓練給付金の場合は「受給資格確認通知書」が届きますが、専門実践教育訓練給付金は「受給資格者証」が交付されるのですね。
ちなみにこの受給資格者証は、基本手当の受給資格者証とは別物です。
〈受講中に必要な手続き〉
専門実践教育訓練給付金は、受講中の6か月(「支給単位期間」といいます)ごとに申請期間が決められますので、その期間内に支給申請手続きをします。
「教育訓練給付金支給申請書」に「教育訓練によるキャリア形成の効果が把握できる書類」「受給資格者証」「受講証明書(修了の場合は修了証明書)」「教育訓練経費に係る領収書」等を添付が必要して、住所を管轄する公共職業安定所の長に提出します。
支給決定日の翌日から起算して7日以内に教育訓練給付金が支給されます。
支給額:教育訓練経費の50%。年間上限40万円。受講期間中の上限120万円。
〈受講後の追加給付(資格取得かつ就職できた場合)の申請に必要な手続き〉
専門実践教育訓練を修了後に資格を取得し、一般被保険者として雇用された日(資格取得より先に一般被保険者として雇用されている場合は、資格取得日)の翌日から起算して1か月以内に、「教育訓練給付金支給申請書」を住所を管轄する公共職業安定所の長に提出します。
申請書には「教育訓練によるキャリア形成の効果が把握できる書類」「受給資格者証」「資格取得を証明する書類」「全期間の教育訓練経費に係る領収書」等の添付が必要です。
支給決定日の翌日から起算して7日以内に教育訓練給付金が支給されます。
支給額:教育訓練経費の20%。年間上限16万円。受講期間中の上限48万円。
教育訓練受講中(または修了後)の給付金と追加給付をあわせると、教育訓練経費の70%、年間上限56万円、受講期間中の上限168万円が支給されるというわけです。
〈昇給した場合の追加給付の申請に必要な手続き〉
令和6年10月1日から改正され、専門実践教育訓練給付金が拡充されました。
教育訓練開始日が令和6年10月1日以降の場合は、資格取得かつ就職という要件にくわえて、教育訓練修了後の賃金が受講開始前の賃金よりも5%以上アップした場合は、教育訓練経費の10%、年間上限8万円が追加で支給されます。
追加給付が支給されるためには、昇給時期がいつでも良いわけではありません。
資格取得かつ就職した日(資格取得前に就職していた場合は、資格取得日)から1年が経過するまでの期間内で、連続する任意の6か月間の賃金を基礎とするみなし賃金日額が、受講開始前の賃金日額の1.05倍以上であることが必要です。
「資格取得かつ就職」の追加給付の支給申請をした者には、この「昇給」の追加給付の申請期間」について、住所を管轄する公共職業安定所から通知されるので、通知に記載されている申請期間内に昇給のした場合の追加給付を行うことになります。
追加給付の支給申請期間は、専門実践教育訓練を修了後に資格取得し、一般被保険者として雇用された日(資格取得より先に一般被保険者として雇用されている場合は、資格取得日)の翌日から6か月を経過した日から起算して、6か月以内です。
この期間内に「教育訓練給付金支給申請書」を住所を管轄する公共職業安定所の長に提出します。
申請書には「受給資格者証」「受講開始前と教育訓練修了後の6か月間の賃金を確認するための給与明細書など」等の添付が必要です。
支給決定日の翌日から起算して7日以内に教育訓練給付金が支給されます。
支給額:教育訓練経費の10%。年間上限8万円。受講期間中の上限24万円。
教育訓練受講中(または修了後)の給付金と追加給付をあわせると、教育訓練経費の80%、年間上限64万円、受講期間中の上限192万円が支給されることになったんですね~
過去にも専門実践教育訓練給付金を支給されている場合
過去にも専門実践教育訓練給付金を支給されている場合は、過去の専門実践教育訓練の基準日(=受講を開始した日)から10年を経過するまでの間(「支給限度期間」といいます)の専門実践教育訓練給付金の上限が、192万円とされています。
つまり10年の間に専門実践教育訓練を2回以上受講する場合でも、専門実践教育訓練給付金は、合計で192万円までしか支給されません。
長期専門実践教育訓練を受講する場合の給付金の上乗せ
法令上4年の修業年限が定められている長期専門実践教育訓練を受講している者で、基準日前10年間に別の専門実践教育訓練を受講したことがない、高収入でない、などの要件を満たす場合には、3年目の受講修了時に年間の上限額(40万円、資格取得かつ就職の追加給付あり:56万円、昇給の追加給付あり:64万円)が4年目の受講相当分として上乗せされます。
上乗せ後の上限額は、「資格取得かつ就職」と「昇給」の追加給付をあわせると256万円!
専門実践教育訓練給付金は、原則として訓練期間3年が上限とされています。
さらに一定の要件を満たした場合は、4年目の上乗せがされます。
また追加給付も2種類ありますので、それぞれの申請期間、要件、上限額をおさえておきましょう。
今日もおつかれさまでした( ^^) _旦~~
最後までお読みいただき、ありがとうございました。