令和5年度社会保険労務士試験の選択式試験問題から。
障害年金と遺族年金の基本をさらっと確認しちゃいましょう。
〔問〕
甲は、20歳の誕生日に就職して厚生年金被保険者となりましたが、40代半ばから物忘れによる仕事でのミスを連発。46歳に達した日に退職し、厚生年金被保険者資格を喪失します。
しかしその後も物忘れが悪化し、退職の3か月後に初めて病院を受診したところ、若年性認知症と診断され、障害認定日に「障害等級2級」と認定されます。
甲は障害年金を受給することはできましたが、障害状態は変わらないまま令和5年4月に亡くなります。
甲には死亡当時、生計を一にする50歳の妻(乙)と17歳の未婚の子がおりました。
妻(乙)と子、それぞれの前年の収入は、年額500万円(乙)と0円(子)。
この事例で、甲が受給していた障害年金と、乙が受給できる遺族年金を全て挙げると【 】となります。
【 】に入る最も適切な語句は、以下の①~④のうちどれでしょうか?
①障害基礎年金、遺族基礎年金
②障害基礎年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金
③障害基礎年金、障害厚生年金、遺族基礎年金
④障害基礎年金、障害厚生年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金
〔考え方〕
障害年金、遺族年金の基本が理解できていれば正答できる問題ですが、私は✖でした。
どう考えればよいのでしょうか。
障害年金の支給要件
障害厚生年金は支給されない
甲は初診日には既に退職しているので、「障害厚生年金」の初診日要件を満たさず障害厚生年金は支給されません。
障害基礎年金は支給される
一方の「障害基礎年金」は、保険料納付要件も満たす必要があります。
甲は20歳から46歳まで厚生年金被保険者(=国民年金第2号被保険者)であり、保険料納付要件を満たすので障害基礎年金は支給されます。
遺族年金の支給要件
遺族厚生年金は支給される
遺族年金は、短期要件と長期要件のいずれかの要件に該当していれば支給されます。
甲は長期要件を満たすので、「遺族厚生年金」は支給されます。
遺族基礎年金も支給される
甲の死亡当時、甲によって生計を維持していた妻(乙)と18歳未満の子がいるので「遺族基礎年金」も支給されます。
〔答〕 ②
ちなみに、私は長期要件はもちろん覚えて試験本番に挑みましたが、甲が長期要件を満たしていることまで頭が回らず、うっかり①と回答してしまいました。Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
社労士試験では覚えた内容を総動員してしっかり正答できるように、過去問を繰り返しておきましょう!
今日もおつかれさまでした( ^^) _旦~~
最後までお読みいただき、ありがとうございました。