自分を成長させたいときに自己啓発本をよく読みます。
でも自己啓発本を読んで、ちょっと重たいと感じることがありませんか。
今回は、私の自己啓発本とのつきあい方と、自己啓発本に疲れたときに読むおすすめの本を紹介します。
私が自己啓発本を読む理由
仕事のモチベーションを高めたり、仕事を効率化して結果を出したいとき。
職場でのコミュニケーションがうまくいかず悩んだとき。
そしてただの娯楽として。
私が自己啓発本を読むのはそんな理由からです。
専門的なスキルなど持っていない、事務職の私です。
以前は「磨けば武器になる強みが自分にあるはず」とか
「ただの事務ではない、特別な事務職(どんな事務職?)になろう」とか、
本気でそんなことを考え、自己啓発本を読んでた時期もありました。
自分を他人と比べては、自分で自分を追い詰めていた頃のことです。
今は「何者かになろう」なんてことは、全く思わなくなりました。
ただ、仕事に限らず自分を成長させたいという思いは今でもあります。
自分で自分の成長を感じられたら嬉しいですよね。
だから自分を高めてくれそうな自己啓発本は好きで、今もよく読んでいます。
自己啓発本で疲れてしまわないように
仕事のモチベーションを高めてくれたり、色々な気づきを与えてくれる自己啓発本。
でも自己啓発本によっては、あまりにも目指すゴールと自分との間に距離がありすぎて、自信をなくしてしまいそうになったりしませんか?
私は時々あります。
また才能と運に恵まれて成功された方が、努力をすれば誰もが同じように成功できると思わせるように書かれた本もあります。
でも人はみんな、仕事の経験や環境、個性や能力が違いますから、同じように努力すれば同じ結果が出るとは、必ずしも言えないですよね。
努力すれば変えられるものと、どんなに努力しても変えられないものが、この世にはある。
運が良いとか悪いとかも、やっぱりある。
それなのに高すぎる目標を立てて「もっともっと」と努力し続けても、いつまでも達成できないで、いつか心が折れてしまうじゃないかと思います。
「達成できないのは自分の努力が足りないから」「自分のやり方が悪いから」と。
本当はもう充分すぎるくらい頑張ってるのに。
自分を責めるより、もっと褒めてあげるべきなのに。
だから私は自己啓発本を、あくまでも自分の知らない考え方を知るためのツールとして、読むことにしています。
この世に色々な人がいて、色々な考え方があること。
それを知ることで自分の視野がまた広がったわ~くらいの気持ちで読むのです。
自分にもできるかも、やらなきゃ、とは思いません。
向上心はないわけではなく、自分を高めたい気持ちもあります。
目標を立てて努力することも成長のためには必要だと思っていて、それなりの努力もしているつもりです。
ただ高すぎる目標で自分を追い詰めないようにに。
今の自分だって充分頑張っている、スゴイよって自分のことを褒めるようにしています。
だってそのほうが、やる気も自信も持てるじゃないですか。
誰かが自分を褒めてくれることなんて期待しません。
そんな不確実なことは期待しないのが一番だし、とても待ちきれません(笑)
自己啓発本につかれたときにおすすめの本
仕事や人間関係に悩んで何とかしたくて、自己啓発本を読んでも解決の糸口が見つからず、かえって心が疲れてしまった。
そんなときにぜひ読んでいただきたいのが
「心に折り合いをつけてうまいことやる習慣」
(話し手:精神科医・中村恒子さん 聞き手:精神科医 奥田弘美さん)という本です。
この本では、仕事や人間関係、家族関係など様々な悩みに、どう折り合いをつけていったら良いかを、89歳の現役の精神科医、中村先生がご自身の経験をもとに語ってくれています。
特に仕事や幸せに対する考え方が、私はとっても共感できて嬉しかったな~。
例えば中村先生は、仕事への向き合い方は「お金のために働くでいいじゃない」とキッパリ。
患者さんのなかには、「なんのために働くのか」「仕事にやりがいが感じられない」「今の会社では成長できない」と悩んでいる人が多いけれど、根本的に人は、自分や家族が食べていくお金を稼ぐために働くもの。
そこを難しく考えすぎて、働くことに大きな期待や思い入れを持ちすぎると、長い仕事人生がしんどくなってしまうよと、中村先生は語られています。
「不細工な形でも続けていくことが大事なんじゃない?中途半端でもいいじゃない」とも。
たしかに自己啓発本を読もうとするくらいの人は、自分に完璧を求めてしまう傾向にあるような気がします。
私もそうだったな。
ところで自己啓発本の多くは、中村先生のお話とは真逆のことが書かれています。
例えば
「自分の好きを仕事にしよう」
「自分についてよく知ろう」
「汎用性のあるスキルと人脈を持とう」
「仕事を完璧にこなすことが重要」
「自分にとって意味のない仕事(雑用とか)はなるべくやるべきでない」
これらはみな、そうすることで実現できる未来像があるからで、読者の方が自分に求める未来像と合っていれば、非常に参考になる内容です。
でも、例えばわが社の事務職の仕事は、雑用といわれる仕事が大半です。
それを「自分にとって意味がない仕事」と切り捨ててしまったら、私は今の会社では必要とされない人間になってしまうでしょう。
そもそも組織の中で、自分に意味のない仕事はやらない主義だからと雑用を引き受けてくれない人と、一緒に働きたいと思う人がどれくらいいるでしょうか。
雑用がない会社なんてないのですから、誰かがそれをやらなければならないのです。
会社の仕事はチームワークですから、日頃からどんなことでも協力し合える雰囲気こそ大切ですよね。
この点についても中村先生は
「自分も気持ちよく働き、人にも気持ちよく働いてもらうために、自分が人から頼まれやすい人になることも大切。ケチケチせずに細かいことも引き受けたらいい」
と。
もう思わず「そうだよね!」と声を出してしまいました。
毎日雑用に追われて自分のやりたい仕事がなかなか進まない私には、中村先生のこのメッセージはとても嬉しかった。
「時間は限られている。自分にとって価値ある仕事を選択すべき」
という趣旨のことが書かれた自己啓発本もあり、確かにキャリア形成のためには必要なことだとわかります。
でもキャリアにならないかもしれない雑用を、ただひたむきにこなしている人も私は尊敬しますし、自分もそうありたいと思います。
この本では仕事以外のことでも、こういうマインドでいくともっと楽になれるなと思えた部分がたくさんありました。
自己啓発本で自分を高めることも大切ですが、もしそんなことに疲れたと思ったら、ぜひ読んでみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。