新人教育で目指すべきゴールって何だろう?
仕事の知識やスキルだけではなく、仕事をする楽しさも知ってもらうためには?
新入社員のOJTを担当することになりました。
試行錯誤しながら、新人さんの成長を見守る日々です。
新入社員のエルダーに指名される
私の会社では最近、「エルダー制度」というものが導入されました。
これはOJTのひとつで、先輩社員が「エルダー」として新入社員につき、1対1で仕事の指導やメンタル面でのサポートをするという制度です。
そして今年の4月、私とは別の部署に大卒の新人さん(女性)が配属され、私が彼女のエルダーに指名されました。
彼女(新人さん)の部署にも先輩はいるのですが、彼女と私の仕事内容がほぼ同じなので私に声がかかったようです。
コミュ下手な私は少々不安もありましたが、若い方のサポートができるのは貴重な経験。
新人さんと一緒に自分も成長するつもりで、がんばるぞ。
社労士の勉強が役に立った
ところで昨年、男性の新人君に研修をする機会が1度だけありました。
その男性の新人君についたエルダーが1か月ほど休職したため、代わりに私が新人君に1時間程度の研修をすることになったのです。
この研修をしたことは私自身にとっても学びが多く、この経験ができて本当に良かったと思えたので、今回のエルダーの話があったときも、内心「やった~!\(^_^)/」と思いました。
ところでこのとき依頼された、新人君への研修テーマは「組織の一員として成長するために」。
上司からこの依頼があったちょうどそのとき、私は社労士になったら役立つかもと思ってある本を読んでいました。
その本の内容が偶然にもこの研修テーマにぴったりで、この本の内容を新人君にうまく伝えられたら、きっといい研修になるはずだと確信し、引き受けたのでした。
(そうでなければとても自信が持てず、何かも理由をつけて逃げてたかもしれません。)
そのとき私が読んでいた本がこちらです。
「図解人材マネジメント入門」(著者:坪谷 邦生さん)
これは当時、社労士試験に合格したものの人事管理の実務経験が全くなかった私が、知識だけでも頭に入れておこうと思い購入した本です。
この本が素晴らしかった。
人事管理の知識も経験もない私は、この本を読んで人事管理の基本と、組織が成長するために人事管理がいかに大切かということを初めて知りました。
そして、組織に評価されることで、そこに働く人も成長できるという考え方があることも。
もし私が若い頃にこの本を読んでいたら、私の仕事人生はもっと違っていたんじゃないかと思います。
もっと早く読んでおきたかったな・・・
でも、そもそも社労士になろうと思っていなかったら、この本を読むこともなかったはず。
社労士の勉強をしていて良かった。意外なところで役に立つものですね。
この本を読んで私か感じたことと同じことを、新人君にも感じてもらえたら。
そう思い、このときの新人君への研修は、この本の内容をアレンジしながら次のような話をすることにしました。
・組織の一員として働くとはどういうこと?
・人事評価は何のためにあるの?
・組織はあなたの何をどうやって評価するのか
・評価されることで人は成長できる
・組織人として、これからどんな能力を伸ばすべきか
この本を紹介するという方法もあったかもしれません。。
でも彼と私とではこれまでの経験が全く違うので、彼がこの本から私と同じように感じてくれるかはわかりません。
それに何となく自分の手の内を見せてしまうようで、結局この本は紹介しませんでした。
それでも、研修を受けた新人君からは好評でした。(たぶん、お世辞ではないと思うのですがどうでしょう?)
そして何よりも、私自身のためにもなりました。
それまでの私は、自己啓発本を読んだらそれで終わり。
読んだことを実践したり、誰かに伝えたりということは、してこなかったのです。
でもそれだと、読んだ内容をあっという間に忘れてしまうんですよね。
でも誰かに話すという目的のために読むと、本の読み方がまるで違ってきます。
本当に理解できたと思えるまで、何度も読みました。
そして次に、この内容を新人君にどう話したらインパクトがあるだろうと考えました。
休日返上で準備しましたが、全く苦痛ではありませんでした。
研修の内容自体も自分のためになったし、ひとへの伝え方も動画を見て学んだりと、自分も少し成長できたような気がします。
そんなこともあり、今回のエルダーもまた新人さんだけでなく自分が成長できる機会をも与えられたんだと思っています。
シニアになっても娘と同世代の若い方とお話しできるのは、働いているからこそ。
自分の仕事が忙しいためにエルダーを引き受けようとしない人もいますが、「なんてもったいない」と思ってしまいます。
どんなOJTをすれば、新人さんのやる気やモチベーションを高められるのか。
「仕事って楽しい」と思ってもらえるのか。
まだまだ試行錯誤は続きます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。