背徳グルメが人気ですね。
背徳グルメとは、健康に悪そうだけど美味しくて高カロリーな食事やお菓子のこと。

例えばお肉たっぷりのラーメンや、チーズたっぷりのパスタ、バターや生クリームをふんだんに使ったお菓子などなど。

これらを、「健康に悪いかも」という背徳感や罪悪感を感じながら味わうことで、幸福感が一層高まるのだそう。

背徳グルメは見た目もインパクトがあるので、私が好んで見る動画でも、若いユーチューバーさんが背徳グルメを楽しむ姿が頻繁にアップされています。

自分の身体のことを考えると、背徳グルメを楽しむことに二の足を踏んでしまう私ですが。
食べてみたーい!

その気持ちを、動画をみて楽しむことで満たしているのかも。

背徳グルメは健康にどう悪いか

背徳グルメが健康に悪いう認識は、多くの人が持っている。

では、どこがどう「健康に悪い」のでしょう?

シニアの身としては、そこをきちんと理解しておきたいもの。
働き続けるためには、健康であることが欠かせませんからね。

さて、動物性脂肪たっぷりの食事をとり続けると、やがてコレストロール値や中性脂肪値が上昇します。
この状態を「脂質異常症」といいます。

健康診断で最も多く見つかる、脂質異常症。
でも、自覚症状はないし、同じ診断を受けている人も結構たくさんいるし。

で、「たいしたことない」と軽く受け止められ、そのまま放置してしまうケースが多いのだそう。

そうなると、やがて血管の壁にコレストロールがたまって動脈硬化を招き、自覚症状がないままじわじわ進行してしまう。

脂質異常症や動脈硬化が「沈黙の病」といわれる所以です。

たぶん、多くの人が動脈硬化のコワさを知らないから、脂質異常症を軽く受け止めてしまうのでしょう。

動脈硬化が進行すると、やがて血管が狭くなる、血栓ができて詰まる、血管が傷んでもろくなるなどして、命にかかわる恐ろしい病気を引き起こします。

例えば、心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、慢性腎臓病、大動脈瘤や大動脈解離。

これらは発症するまでほとんど自覚症状はなく、ある日突然症状があらわれ、手遅れになるケースも多いそうです。

私の祖父はくも膜下出血で、義母は大動脈瘤の破裂でそれぞれ命を落としています。
著名な方でこれらの病気を発症した方も、少なくありません。

コワいのは、動脈硬化が進行してしまうと、食生活など生活習慣を改善しても元の健康な状態に戻ることはないということ。

ですからまずは、治療よりも予防。
これがとっても大切なんですね。

日本人の総コレストロール値は上昇の一途

健康的なイメージである日本の伝統食、和食。

世界に誇る食文化をもつ私たち日本人の総コレストロール値が、アメリカ人とほぼ同じ水準になっていることをご存じでしょうか。

アメリカでは、動脈硬化による心臓病が死因のトップ。
そのため国をあげて、国民のコレストロール値を下げることに力を入れてきました。

これに反して、もともとコレストロール値が低かった日本人は、食の欧米化などで上昇の一途。
脂質異常症の人も増え続けているのが現実なんです。

脂質異常症は遺伝や体質にも起因しますが、生活習慣が発症に大きくかかわっているのです。

効果が認められている4つの生活改善

「脂質異常症 最新の食事療法」(監修:寺本 民生さん)によれば、医学的な研究で効果が明らかになっている生活改善の基本は、次の4つ。

①禁煙をする
②適度に体を動かす
③食生活を改善する
④体重を適正に保つ

たばこを吸っていると、悪玉のLDLコレストロールが酸化して動脈硬化の進行を早めてしまうのだとか。
一方で、善玉のHDLコレストロールを減らしてしまう。

喫煙が、動脈硬化による疾患のリスクをいかに高めるかがわかります。
そういえば、亡くなった祖父もたばこが好きだったな。

運動が健康にいいという認識もまた、多くの人が持っています。

運動はがんや認知症、うつ病など、多くの病気の予防と改善に効果があることがわかっていますが、脂質異常症や動脈硬化の予防・改善にも威力を発揮します。

特に有酸素運動を行うことで、善玉のHDLコレストロールが増えるのだとか。

また筋肉トレーニングを行うことで筋肉を増やし、代謝をあげることも重要。
有酸素運動では筋肉を増やすことができないためです。

つまり、有酸素運動と筋トレの両方を行うことで、代謝がアップしさらに効果が高まるのです。

ただし強すぎる筋トレは、動脈壁を固くする可能性があり逆効果。
筋トレに限らず運動は、身体に負荷をかけ過ぎないようにするのが最大のコツ。

「落ち着いたらジムにでも行くか」ではなく、「今から散歩にでも行くか」「とりあえずスクワット10回やっとくか」くらいのノリで。

ちなみに、個人的におすすめなのが掃除や草むしり。
結構いい運動になるし、家の中やの庭が少しでもキレイになれば一石二鳥です♬
ぜひお試しを。

食事療法は、脂質異常症のタイプによって異なるのだそう。
でも、どのタイプにも共通しているのは、食物繊維を多く含む食品を積極的に摂ること。
反対に控えたいのが、糖質を多く含む食品やトランス脂肪酸など。

また悪玉のLDLコレストロール値が高い人は、動物性脂肪を多く含む食品(肉の脂身、バター、乳製品、うなぎ、ウニ、イクラなど)も控えたほうが良いそう。

だから背徳グルメは「目で見て楽しむ」。
どうしても食べたいときは「控えめに」。

美味しいものを我慢するのはつらいですけどね。

でも、作家の檀玲さんがその著書で書かれているように、
「長期的な最適化は面白みがないが、将来的には幸福度が最も大きくなる」。

「長期的な最適化」「短期的な最適化」とは意思決定こと。
例えば、テーブルの上にある美味しそうなケーキを頬張るのが短期的最適化で、ダイエットや健康のために我慢するのが長期的最適化。

まぁ、でも控えめに楽しむくらいには、自分を甘やかしてあげましょ。
何事も無理はよくありません。
ゆるく続けられれば、OK♬ 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。