定年後のお金を増やすために、我が家では「働く」「公的年金を増やす」「iDeCoやNISAなどの活用」の3つの方法を実践することにしています。

この3つの方法を「全て実践する」というのがポイント。
リスク分散にもなりますよね。

今回は「人生100年時代」を乗り切るための、我が家のお金の増やし方について書きます。

定年後の資産寿命と健康寿命をのばすために「働く」

最も重要なことは、定年後も可能な限り働いて収入を得ること。

例えば投資で年間200万円のリターンを得ようとするとかなりハードルが高いですし、相当のリスクも伴います。
でも働いて年収200万円(月収16万7000円くらい)を稼ぐことは、シニアでも難しいことではありません。

夫婦二人で働けば世帯収入は400万円となり、夫婦で十分暮らしていけます。

心身に負担が大きい仕事は避けて自分のペースで働くことができれば、健康寿命を延ばすことにもつながりますからね。

できるだけ長く働ける自分でいることが、最強の投資だと思っています。

公的年金を増やす

公的年金を増やす方法として、
・70歳まで厚生年金に加入しながら働き、年金額を増やす
・年金支給を繰り下げる

の2つの方法があります。

それぞれの方法でどれくらい年金が増えるのか、また制度利用の注意点についても確認しましょう!
(公的年金の話題だと、つい社労士試験対策をしているような気になってしまいます(^-^;))

1.70歳まで厚生年金に加入しながら働く

厚生年金は70歳になるまで加入することができますよね。

60歳以降も厚生年金に加入して働く場合、1年間加入につき、月給16万円で年額1万円程度、月給30万円で年額2万円程度、年金額が増えます。
(※増えるのは厚生年金部分だけ。基礎年金(国民年金)部分は増えません。)

65歳のときには、それまでの加入期間分をもとに年金額が再計算されて支給されます。

65歳以降も厚生年金に加入の場合は、在職中でも毎年1回、9月1日を基準日として、過去1年間分を加算した年金額が10月から支給されるようになります。(「在職定時改定」といいます。)

ただし10月分の年金の支給月は12月なので、改定後の年金を実際に受給できるのは12月からになります。

☆注意点☆

働きながら受給する「在職老齢年金」は、月給と年金月額の合計が50万円を超えると、支給調整されてしまいます。

ただし支給調整となる年金月額は、老齢厚生年金部分の額だけ。
また加給年金額、経過的加算額、繰下げ加算額は含まず、基礎年金(国民年金)も調整の対象外です。

また月給には、賞与(年間賞与額を12等分した額)を含みます

ただ、「65歳以上で月給と年金月額で50万を超える」という条件は、よほど恵まれた一部の人以外は当てはまらないような気がするのですが、どうなんでしょう。

2.年金支給を繰り下げる

公的年金を増やす裏ワザとして、マスコミなどでもよく紹介されている方法ですね。

年金支給を1カ月遅らせる(繰り下げる)ごとに、0.7%増額されます。

繰下げの上限は120カ月(10年)なので、仮に10年繰り下げた場合の増額率は
120カ月✖0.7%=84%
なんと、本来支給される年金額に84%加算された額が、生涯支給されることになるのですね。

でも年金支給の繰下げは、そのデメリットにも要注意です!
次の「☆注意点☆」でそのデメリットをまとめました。

☆注意点☆

年金支給の繰下げのデメリットとその回避策は次のようなものがあります。

①長生きしないと受け取れる総額が少なくなる → 健康に気をつけましょう。
②老齢厚生年金を繰り下げると加給年金がもらえない → 老齢基礎年金だけ繰り下げる方法もあり。
③老齢基礎年金(国民年金)を繰り下げると振替加算がもらえない →老齢基礎年金(国民年金)だけ繰り下げる方法もあり。
④老齢厚生年金を繰り下げると在職定時改定の恩恵を受けられない → 恩恵を受けられない期間は限られており、加算額も多くはないので、生涯増額が続く繰下げをあえて選択する方法もありますが、上記②にも該当する場合は慎重に検討しましょう。
老齢基礎年金(国民年金)だけ繰り下げる方法もあり。

※詳細はこちらのブログ記事にまとめてありますので、ぜひお読みください。
 ↓
年金支給の繰下げの注意点

我が家では、定年後の仕事でどれくらい収入を得られるかにもよりますが、現時点では年金支給の繰下げはせずに、夫婦でできるだけ働いて年金額を増やすことを考えています。

iDeCoやNISAなどを活用する

投資をしている方なら、iDeCoやNISAを利用していることでしょう。
通常、投資で売却益や分配金などの利益が出た場合は、20.315%の税金がかかりますが、iDeCoとNISAは運用益が全て非課税です。

そのうえiDeCoについては、その掛金が全額所得控除の対象になるので、年末調整でお金がたくさん戻ってきます。

この節税効果が高いことが、iDeCoとNISAの最大のメリット。

ただしiDeCoでは、積み立てたお金を受け取るときだけ税金がかかります
会社の退職金や公的年金のもらい方、金額などによって最適な受け取り方も違ってきますので、どんな受け取り方をすれば節税効果が高いのか、シュミレーションをすると良いです。

※iDeCoのメリットを最大限に生かすためには受け取り方が大事です。
ぜひ、こちらの記事もお読みください。
 ↓
iDeCoは「受け取り方」が大事

私はちょうど1年前に投資を始めたのですが、このときつみたてNISAとiDeCoの口座も同時に開設しました。
だいたいどの金融機関でも、NISAとiDeCoの口座開設をセットで申し込めるようになっているようですね。

夫のNISA口座も、このとき半ば強制的に開設しました。\(^o^)/
(NISAは1人で年間最大360万円まで利用できます。これを夫婦で利用することで、年間720万円まで非課税の対象となるので、夫婦で口座開設したほうがおトクなのです!)

ところで投資の運用成績ですが、今年の夏のあの株価暴落から徐々に株価が回復してますね。
暴落時にインデックスファンドを思いきって買い足したことも功を奏して、現在の含み益は10%あたりをウロウロ。
このまま上がりますように・・・

我が家ではこのまま無理のない範囲で投資を継続する予定です。
株価の変動に惑わされないように、買ったら即座に忘れて(これがなかなかできないのですが)、長期運用でのリターンをめざします。

投資を成功させるコツは、心の平静を保つことと、長生きすること。
これに尽きますね。

自分にあった方法で「お金を増やす」

どんな方法でお金の増やすか。
これは、その人の生き方や価値観によって大きく変わるものだとつくづく思います。

たとえば私の周りでは、お金よりも時間のほうが大切だから、60歳過ぎたら働かないで自分の好きなことだけして過ごしたいという方が少なからずいます。
生活費は年金で賄える程度におさえ、働かないという選択です。

たしかに、時間はお金よりも価値がある資産であることを考えると、この選択は理にかなっていると思います。

そういえば、とても有能なある女性は、社内でも高い地位まで昇進したのですが60歳で仕事をすっぱり辞め、地方に移住してボランティアや野菜作りに専念されています。
十分な退職金や年金があるからこその選択だったのでしょうが、何ともうらやましい限りです。

私はできるだけ働き続けることを考えていますが、それはお金を増やすためという理由のほかにも、「自尊心」のために働いていたいという気持ちがあるからです。(※)

※「自尊心のために働くこと」については。こちらの記事をぜひお読みください。
 ↓
哲学から考える「シニアが仕事を続けるために大切なこと」

大事なことは周囲の意見や一般論に惑わされることなく、自分が納得してできること、自分に合った方法をみつけて実践することですね。

人生100年時代を、楽しくたくましく乗り切りたいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございまし