「富とはお金を使わないことなのだとしたら、富を築くことは何の役に立つのだろうか?」(「サイコロジー・オブ・マネー」モーガン・ハウセル著)
億万長者の生活は超シンプル
以前のブログで、私が尊敬する明治~昭和時代の資産家、本多静六さん(1866年~1952年)について記事を書いたことがあります。
本多静六さんは若い頃から月給の4分の1を貯金し、そのお金を元手に投資し続けて現代の資産価値で数百億円(!)という財産を築いたスゴイ方。

この方がさらにスゴイのは、桁違いのお金持ちになっても一切贅沢をしないで勤倹貯蓄を続け、
「人生即ち努力 努力即ち幸福(努力することが人生の全てであり、幸福の真価は努力している人だけがわかる)」と、生涯労働と学問に没頭したこと。
しかも、自ら築いた莫大な財産のほぼ全てを寄附されたそうです。
自分の子どもたちには残さずに。
そういえば、アメリカの投資家、ロナルド・リードさん(1921年~2014年)という方も、生前はガソリンスタンド店員、清掃員という地味な職業で、暮らしも質素そのものだったそうですが、92才で亡くなったときの資産は何と、800万ドル(日本円で約10億円)!
遺言により、彼の遺産の多くが地元の病院と図書館に寄附されたそうです。
お金を使わないからこそ、これだけの富を築けたのでしょうが・・・
それでも、せっかく自分でコツコツと貯めたお金を、もっと自分で使えば良かったのにと、つい俗人的に考えてしまいます。
一生懸命貯めても、どうせ倹約ばかりして使わないのだったら、これ以上資産を増やす意味なんてあるのでしょうか。
目的のない貯金こそ価値がある
使いもしないお金を貯めることに、意味があるのか。
その答えが、この本に書かれてあります。
「サイコロジー・オブ・マネー」(著者:モーガン・ハウセルさん)

この本ではまず、富を築くには、収入を増やすことよりも「貯蓄率」を上げることが重要だとしています。
以下、この本からの引用です。
「少ないお金で幸せになる方法を学べば、必要なものを買っても十分に手元にお金が残る。
収入を増やしてもお金は残せるが、支出を減らすほうが簡単だし、そのほうが自分でコントロールしやすい。」
でも少ないお金で幸せに暮らせるのだったら、その人にとって富は必要ないのでは?
そんな疑問がうまれますよね。
しかしこの本には、「それでも貯金はすべき」と書かれてあります。
再び、この本からの引用です。
「住宅や車の頭金、あるいは老後のためにお金を貯める人がいる。もちろん、それは素晴らしいことだ。
しかし、特定の目的がなくても貯金はすべきだ。
貯金自体が目的であってもいい。むしろ、そうすべきなのだ。」
「(人々は、お金がもたらす目に見えないリターンの価値には気がつきにくい。)お金がもたらす無形の恩恵は、私たちが普段貯蓄の目的にしている有形のモノよりもはるかに価値があり、幸福度を高めてくれるものなのに。
目的のない貯金をすれば、選択肢と柔軟性が手に入る、貯金があれば、待つべき時はじっと待てる。チャンスがきたら飛びつくこともできる。考える時間もつくれる。自分の意志で人生を軌道修正できるようになる。
私たちは少額の貯金をするたびに、誰かに所有されていた自分の未来を少しずつ奪い返しているのだ。」
貯金があれば、時間や人生を自分でコントロールできるようになる。
これが、目的のない貯金をする最大のメリットであり、最強の武器だとこの本には書かれてあります。
人生の幸福度は、自己決定度が高い人ほど高まる、という調査結果もあります。
だとすれば、目的のない貯金をすることは自己決定度を高めてくれるわけですから、幸福度も高くなるのは当然の結果だと言えます。
極端な話、お金がなくてお金のかからない生活をせざるを得ない人と、十分すぎる貯金があるのに自分の意志でお金がかからない生活をしている人とでは、暮らしぶりは似ていても幸福度が全く違うのです。
使うためにお金を貯めるのではなく、人生の幸福度を高めるために、使わない(目的のない)お金を貯める。
この発想は、まさしく目から鱗でした。
こういう考え方を知って以降、貯金するモチベーションが一気に高まったし、物欲がさらになくなったと実感しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。